観劇感想文

2022/01 中島鉄砲火薬店

御笠ノ忠次改め伊藤栄之進さんの新選組モノだ!!!!!ってチケット取りました。

パンフも戯曲本も買った(買うしかなかった)円盤も欲しい(配信はある)


土方さんの、話をしたかったな、甘利息子の、聞いてみたかった、からの中島父子の、話をしたいのです、でべしょべしょに泣いてしまった。ダメ。だってみんなゆっくり話をする暇もなく死んじゃったんだもん。ダメ。ダメだって……(ダメだった)

元新選組隊士を狙った連続暗殺の疑惑がある、安富才助と相馬主計の死因も怪しい、のくだり、確かに安富は高台寺党の残党である阿部十郎に殺されたらしい(伝聞)と西村兼文の日記に書かれてて割と近年まで信じられていたので、なるほどなー!ってなった。相馬の死も自害と言われているけど元妻の証言とされる言い伝えが残っているだけなので詳細不明。物語の背景としてとても説得力がある。
からの、中島登を狙うのはかつて殺した同僚の息子で……に繋がるのでうまいなーー!ってなった。いや刀ミュ観るたびに歴史からの創作がうまい!!脚本ぢからが強い!!って叫んでるけどそもそもめちゃくちゃ話の作りがうまいんだわ……あと歴史というか、かつてそこにいた、そこにいて欲しいと願われた過去の人々への親愛を込めた視線がすごく好き。あたたかい。

変に湿っぽくせず、生きてる人たちが悲しんだり後悔したり笑ったりどつきあったり泣いたり喚いたりしながらちゃんと生きてる話を描いてくれるので、すごく好き。生きてる。生きてるから話をすることができるし、生きてるからぶつかることができる。過去を振り返ることも、思い出を懐かしむことも、いつかの誰かに語りかけることも生きてるからこそ。生きてるから何度でも始めることができるし、繰り返すことができるし、もういない誰かの代わりに受け止めることもできる。
大事だった誰かの人生なんて託されても、大きすぎて重すぎるけれど、抱えたままで生きていかなきゃいけないから。
失ったものも背負って抱えて生きていくというのは結局のところ、死んでしまったら出来ないことを、生きているからこそ出来る普通のことを、全力で続けるしかないのかもしれない。

しかしスーパー化け物さいとうはじめでゲラゲラ笑ってしまった何だあれずるいな!でも生き残り伝説を並べられると確かに化け物だな!って思ってしまうので話の流れがズルすぎる。会津で死んだとみんな思ったよ。それはそう。中島くん悪くない。

ずるいといえば土方さんが土方さん(刀ミュと同一別個体)なのでずるい。べらんめぇ口調の土方さんからしか摂取できない特殊な栄養素があるので大変救われました。とても健康に良い。肌がツヤツヤになる。