読書感想文

『続メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた』

続メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた(ダイヤモンド社)

吉川 景都 著/BAパンダ 著・2023/9/6発行
読了:2024/4/3(本棚)

「メイクは楽しくなってきたけど、あれ、またワンパターンになってきたかも……」顔面迷子だったマンガ家が、再び友達の美容部員に聞く!「基礎を学んだら次は応用」ではなく「基礎、とにかく基礎に戻れる」一冊。

感想

前作が面白かったので続編も買った。メイクの基本をまとめた本っていくらでもあるけど、オタクたちがオタク文法を使って説明してくれるからオタク的にとっつきやすいのと、世代が近いのも読みやすさの理由かもしれない。

今回もメイクの基礎とそれを踏まえた上での考え方の話で、でも意外と各メイクの基本の考え方、みたいな話って教えてもらえないので実際に使うかどうかは別として参考になる。基本となるゼロ状態のメイクがわからないと応用どころか足し算も引き算もわからない。それはそう。

前作を読んですべての土台となるスキンケア、というか、とにかく保湿を大切にする!というのは続けてやってて効果を感じてるし、自分が何を目的としているのかを考えてメイクするようになっていたので、続編を読んで何か新しい知見を得るというよりは実践中のものを後押ししてもらうという感じ。基本の再確認と修正。

いやほんと保湿きちんとするようになったら一時期すごく気になっていた顔のくすみとほうれい線が緩和されたので……人から見たらそうでもないかもしれないけど、自分が気にならない程度になればいい、という気持ちなので現状に対してそれなりに満足している。

あと年を取ったらツヤ感が大事という話も、確かにテレビを見ていてお若いなぁって思うおばあちゃんの肌にはツヤがある。そういうことなんだと思う。髪もツヤがあれば清潔に見えるっていうし、とにかく保湿なんだな。

目元のシミとかも気にし始めたらキリがない、というよりも私自身が気にならないなら問題ない。男性メイクの話の回で、「どこまでやればいいのか」という問いに対して「自分の気持ちがちょっとアガればいい」という回答はとても良かったし腑に落ちた。

逆に言えば誰かのためにやるメイク(お呼ばれの結婚式とかその場に合わせるためのもの)はお金を払ってプロにやってもらえばいいので。ヘアセットや着付けと同じ。これはこれで気分が上がるけど、特別な場だからこそのもの。日常的にはそこまでじゃなくていいけど、それでも自分の気持ちがちょっとアガる方がいいし、疲れていたり忙しい時は手を抜いても良い。この辺りもたぶん「メイクの基本の話」なんだろうな。

そして多少の経験はあっても化粧品そのものについての圧倒的に知識がない自分だけでは限界があるなら、知識が豊富なプロ=BAさんを頼るのもひとつの手であり、本の中で丁寧に説明してくれているのはその一端。あとがきでBAパンダさんが、BAがどんなに準備をしていても受け身でしかないので、カウンターへお客さんが相談に来てくれなければどうすることもできない、というような話を書いていたのが印象に残った。劇場で何度も聞いている言葉だ。